パソコンでのシミュレーション Mathematica8.0 byH.Yanase
以下のサイトからCDFPlayerのブラウザプラグインをインストールすると利用可能になります。
http://www.wolfram.com/cdf-player/ からCDFプレーヤーをダウンロードしてください。
○気球からの投射
ある生徒が気球から物体を投げ上げる問題について質問に来ました。
「気球も等速運動なら、気球から投げ上げても、地上から投げ上げても最高点までいく時間に変化があるのはなぜですか」
という内容である。これも相対速度が関係したいい質問である。でも時間が異なるのは当然で気球が上昇していれば、気球から自由落下したとしても地上から見る人には
投げ上げのようにみえるはずです。
さてここではまず、気球のVxグラフとVyグラフを決めます。等速運動は直線なので初速と加速度でこのグラフが決まります。
そしたら気球のY-Xグラフがどうなるか想像してみてください。チェックボタンをONにするとその答え緑でがでます。
x方向は等速、y方向が負の等加速運動に選べば落体の運動のように放物線を緑の線が描くはずです。
設定をいろいろ変えてVxとVyから気球の運動を想像してみてください、以外に難しいですよ。
このプログラムでは気球からボールを投げるのは時刻0に設定してます。ボールの加速度は下向きに9.8m/s2と決まっていますからボールのVxとVyをスライダーで決めてみてください。
小さい青の矢印が気球から投げるボールの速度を表します。一度閉じ、再び初期状態で開くと気球には加速度はなく、Vx=10、Vy=5、さらにボールは気球からVx=10、Vy=20で投げ出すように
設定されてます。この場合は加速度は気球から投げたボールも地上から見ても9.8m/s2で同じです。よってV=Vo-gtですから最高点はV=0として気球からは20/9.8が最高点までの時間です。
ということは再び気球と同じ高さなるのはその倍の40/9.8=4.08sということになります。
そこで地上からのグラフ、気球からのグラフ、気球から見たグラフをチェックし、
時間のスライダーを約4秒程度にしてみてください。そうすると気球の緑の線は直線、地上からみた青の線は放物線でともに同じYの値になり、同じ高さにあることがわかります。
さらに赤は気球からみたボールですが、この線はもとの高さに戻っていることが確認できるはずです。
プログラムの一番下のチェックをいれると最高点までの地上にいる人がみた時間と気球にいる人が見た時間が表示されます。まず、自分で計算してみてから確認してくださいよ。
最高点までの時間は気球のy方向の初速Voyと気球のy方向の加速度gy、そしてボールのy方向の初速voyで決まります。
求めるのに必要菜のは高校で習う等加速運動の式だけです。
地上からみると重力加速度は下向きに9.8です。初速はVo+voになるので最高点までの時間は
V=Vo-gtより 最高点では速さが0なので0=Vo+vo-gtからt=(Vo+vo)/gで求まります。
気球から見る場合も初速はvo、ただし、加速度は9.8+ayとなり気球の上向きの加速度が大きいほど気球上ではみかけの重力加速度が大きくなるので
実際に体重をはかったしすれば増えます。同じように最高点では気球からみれば速さが0なのでV=Vo-gtより
0=voy-(9.8+ay)tからt=voy/(9.8+ay)となります。
また、相対速度の考え方を使うと最高点ではy方向の速度は気球から見れば静止するので加速度は上を正としているから
気球のy方向の速度Vy=Voy+ayt
ボールのy方向の速度は投げ上げの式からvy=(Voy+voy)-9.8t
よって相対速度の公式から気球からみたボールの速度V’=vy-Vy=voy-(9.8+ay)tとなり、これが0になるとすれば同じ結果が得られます。
また、このシュミレーションからはボールと気球が同じ高さにもどった時の距離や最高点から元の高さにもどるまでの時間がどうなるかも考えることができます。
気球に加速度がある場合とない場合で何が異なるか考えてみるといいでよう。
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