パソコンでのシミュレーション Mathematica8.0 byH.Yanase

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http://www.wolfram.com/cdf-player/ からCDFプレーヤーをダウンロードしてください。

○相対速度と位置との関係

相対速度は基準を引く、例えばAに観測者がいて、Bを観測するとAから見たBの速度は

VAB=VB-VAとなり、AとBが等速度運動をしていれば一定な値になります。注意すべきは

VAもVBもベクトルなので作図から差を出さないといけません。

相対速度を学んだ生徒から次のような質問がありました。

「観測者と物体が別な速度で運動しているのだから両者の位置関係が時間と共に変化します。

だから観測者から物体を見た速度も時間と共に変化しないとおかしいのではないか。」

これはすばらしい質問です。物理を学んだばかりの君たちにはまだ、「位置」と「速度」

が混同していることが多いのです。物理では位置は位置、速度は速度として異なるベクトルとみなさないといけません。

位置と速度は同じように足したり引いたりできないのです。

位置と速度が別である関係をシミュレーションしてみましょう。観測者(青)と物体(緑)のはじめの位置を左の小さな座標

にある○印をマウスで動かして決めてください。

次に観測者と物体の速度成分をスライダーで決めてください。

次に時間のスライダーを動かすとそれぞれの速度に応じて○印が描かれます。

(時間のスライダーの横の+ボタンを押すとオプションのプレイボタンが表示されるので自動実行できます。)

○は位置で、矢印は速度です。では観測者から物体を見た時の速度を考えてみてください。

確かに位置関係はかわりますが答えのチェックを入れると観測者の位置から物体を見た時の速度が赤で表示されます。

この赤いベクトルが相対速度で位置関係に依存しません。(位置をいろいろ動かして試してみてください)

しかし、速度の成分を変化させると変化しますね。

(赤のベクトルは相対速度の公式に従って緑と青のベクトルの始点を合わせて青の頭から緑の頭に矢印を引くと作図できます。)

さらに観測者を原点固定にチェックを入れると観測者を原点に止めて見た時の物体の運動が塗りつぶされた緑で表示

されます。時間を変化させると確かに相対速度の向きに運動していくのがわかりますね。

位置と速度が別なものであることを確認できましたか。

速度をV、位置をSとすると

V=(S2-S1)/(t2-t1)=ΔS/Δt

と変化量Δ(デルタ)を用いて表せます。

つまり、この関係は位置と速度だけではなく、

ある量と変化量(Δをつけたもの)との関係だといえます。

位置が変化したものが速度であるといえますが、

位置とその変化量は別なベクトルになるということです。

*うまく動かない場合はこのページを閉じてもう一度戻ってやりなおして見て下さい。